月経前症候群(PMS)の治療
治療の目的は、毎月の不調を完全にゼロにすることではなく、症状を適切にコントロールして仕事や生活への支障を減らすことにあります。選択される主な治療内容は下記です。
低用量ピル(LEP)
PMSの身体症状・精神症状の双方に対して広く用いられる治療計画です。排卵を抑制し、生理周期に伴う女性ホルモンのドラスティックなアップダウン自体をフラットにすることで、排卵後の心身の不調を根本から軽減します。
漢方薬の服用
「ピルを飲むのが難しい」「体質からおだやかに改善したい」という方に適した治療法です。個々の体質や症状(証)に合わせて、加味逍遙散や桃核承気湯、当帰芍薬散などを処方し、生理前の気分の高ぶりや体のむくみ、痛みを整えます。
薬物療法(SSRIなど)
イライラや涙もろさ、気分の落ち込みといった精神症状が特に強く、日常生活に支障が出ている場合には、少量のSSRI(選択的セロトニン再取り込み阻害薬)というお薬を一時的に使用することがあります。PMSに対しては、毎日服用するだけでなく、症状が現れる生理前の期間(黄体期)だけピンポイントで服用する「間欠投与(周期投与)」という方法でも十分な効果が期待できます。
症状日誌(メンタルスケジュール)
自身の月経周期と体調・メンタルの波をアプリや手帳に記録するセルフケアです。「今はイライラしやすい時期(黄体期)だ」と客観的に予測を立てることで、「重要な決定を先延ばしにする」「あらかじめ業務量をセーブする」といった具体的な対処行動が可能になり、毎月の波に振り回されにくくなります。