「突然意識を失ったことがある」「けいれんを起こした」「ぼんやりして記憶がない時間がある」といった症状に不安を感じていませんか。
てんかんは脳の神経細胞の異常な電気活動によって発作を繰り返す病気です。発作というと全身のけいれんをイメージする方が多いかもしれませんが、実際には意識が一時的に途切れたり、同じ動作を繰り返したりするなど、さまざまな症状がみられます。また、てんかんのある方の中には、気分の落ち込みや不眠などの精神的な不調を経験する方もいます。ただし、その原因は単純に発作への不安だけとは限りません。まずは発作が十分にコントロールされているかを確認し、てんかんそのものに関連する精神症状(器質性精神障害やてんかん性精神病など)がないかを評価することが重要です。これらを除外したうえで、発作への不安や将来への心配、日常生活でのストレスが関与している場合には、神経症圏のうつ状態として治療を検討することがあります。
この記事では、てんかんの基本的な知識から主な症状、関連しやすい疾患、治療法、受診の流れまで分かりやすく解説します。ご自身やご家族の症状が気になっている方は、ぜひ参考にしてください。
てんかんとは、脳の神経細胞が一時的に異常な電気活動を起こし、その結果として「てんかん発作」を繰り返す病気です。決して珍しい病気ではなく、子どもから高齢者まで幅広い年代でみられます。 また日本では約100人に1人がてんかんを抱えていると考えられています。
てんかんは精神疾患ではなく、脳の働きに関連する神経疾患です。しかし、発作に対する不安や生活上の制限によって精神的な負担が大きくなり、うつ病や不安障害を併発することもあります。
また、発作が1回だけの場合は経過観察となることもありますが、検査結果や再発リスクによっては1回の発作でもてんかんと診断される場合があります。発作の原因や再発リスク、脳波検査などを総合的に評価して診断が行われます。適切な治療によって発作を十分にコントロールできる方も多く、早期診断と継続的な治療が重要です。
てんかんの症状は発作の種類によって大きく異なります。
代表的な発作は、手足のけいれんや意識消失を伴う全般発作です。しかし、てんかん発作はそれだけではありません。
脳の一部から始まる焦点発作では、
などの症状が現れることがあります。
また発作前に、
などの前兆を自覚する方もいます。
発作後には眠気や頭痛、疲労感、記憶の混乱がみられることもあります。
てんかんでは発作だけでなく、精神面や認知機能への影響がみられることがあります。
てんかん患者さんでは一般人口よりうつ病の頻度が高いことが知られています。発作への不安や将来への心配から気分の落ち込みが続くことがあります。
「いつ発作が起きるか分からない」という不安から、外出を控えたり、人前に出ることを避けたりするようになる方もいます。
睡眠不足は発作の誘因になることがあります。不眠や生活リズムの乱れは発作コントロールにも影響するため注意が必要です。
一部のてんかんでは、自閉スペクトラム症(ASD)や注意欠如・多動症(ADHD)を併存することがあります。
てんかん治療の目的は、発作をできる限り抑え、安全で安定した生活を送ることです。
治療の中心は抗てんかん薬による薬物療法です。発作型や年齢、持病などを考慮しながら薬剤を選択します。
近年では適切な薬物治療によって多くの患者さんが発作をコントロールできるようになっています。
複数の抗てんかん薬を適切に使用しても発作が十分に抑えられない場合には、
が検討されることもあります。
また、
も重要な治療の一部です。
てんかんの診断では、発作の状況を正確に把握することが重要です。
対面診療では、
などを行います。
また必要に応じて、
が検討されます。
クリニックで対応できない検査が必要な場合は、神経内科や脳神経外科、てんかん専門施設へ紹介されることもあります。
てんかんの患者さんでは、発作そのものだけでなく、「また発作が起きるのではないか」という不安や、仕事・学校生活への影響から精神的な負担を抱えることがあります。そのため、神経内科による発作管理だけでなく、精神科や心療内科による心理的サポートが役立つ場合があります。
てんかんの種類によって異なります。長期間発作がなくなり、治療終了を検討できる方もいますが、継続的な管理が必要な方もいます。
安全を確保し、無理に体を押さえたり口に物を入れたりしないでください。発作が5分以上続く場合は救急要請が必要です。
多くの方が仕事を続けています。ただし職種によっては安全面への配慮が必要になることがあります。
自己判断で中止してはいけません。発作再発の危険があるため、必ず主治医と相談してください。
発作への不安、うつ症状、不眠などについては精神科・心療内科で相談できます。必要に応じて神経内科などと連携して診療を行います。
道路交通法では一定期間発作がないことなどの条件を満たした場合に運転が認められています。状況によって異なるため、主治医へ相談しましょう。
ストレスそのものが直接の原因ではありませんが、ストレスによって睡眠不足や疲労が蓄積すると発作の誘因になる場合があります。規則正しい生活を心がけることが重要です。
てんかんは脳の神経細胞の異常な電気活動によって発作を繰り返す神経疾患です。発作の種類はさまざまで、けいれんだけでなく意識障害や行動変化として現れることもあります。
また、発作そのものだけでなく、不安や抑うつ、不眠などの精神的な負担を抱える方も少なくありません。適切な診断と治療によって発作をコントロールできるケースは多いため、症状が気になる場合は早めの受診が重要です。
まいにちメンタルクリニック神田駅前院では、てんかんに伴う不安や気分の落ち込み、不眠などのご相談に対応しています。必要に応じて神経内科や専門医療機関と連携しながらサポートいたしますので、「発作への不安が強い」「精神的につらい」と感じている方はお気軽にご相談ください。