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認知症

「最近物忘れが増えた」「同じ話を何度もしてしまう」「家族の様子が以前と違う気がする」と感じていませんか。

認知症は加齢による物忘れとは異なり、記憶力や判断力などの認知機能が低下し、日常生活に支障をきたす状態です。しかし、認知症と思われる症状の中には、うつ病や内科的な病気など治療によって改善が期待できるものも含まれています。

この記事では、認知症の主な症状や原因となる疾患、治療方法、受診のタイミングについて分かりやすく解説します。ご本人だけでなく、ご家族が認知症の可能性を心配している場合にも参考にしてください。

「認知症」とは

認知症とは、脳の病気や障害などによって認知機能(記憶力、判断力、理解力、注意力、言語能力など)が低下し、日常生活や社会生活に支障をきたす状態を指します。単なる「物忘れ」と混同されることがありますが、認知症では生活に必要な能力そのものが低下していく点が特徴です。

例えば、食事をしたこと自体を忘れる、同じ物を何度も買ってしまう、慣れた道で迷う、公共料金の支払いができなくなるなど、生活上の困りごととして現れることがあります。仕事をしている世代では、段取りが組めなくなる、同じミスを繰り返す、業務内容を理解しづらくなるなどの変化がきっかけで気づかれる場合もあります。

認知症は一つの病名ではなく、アルツハイマー型認知症、血管性認知症、レビー小体型認知症など、さまざまな疾患によって生じる状態です。高齢者に多い一方で、65歳未満で発症する若年性認知症もあります。「年齢のせい」と決めつけず、早い段階で相談することが、治療や生活支援につながります。

「認知症」の症状

認知症の症状は、認知機能の低下だけではありません。初期には記憶障害が目立つことが多く、同じ質問を何度も繰り返す、約束を忘れる、物をしまった場所を頻繁に忘れるといった変化がみられます。

進行すると、今日の日付や現在地が分からなくなる見当識障害、計画的に行動できなくなる実行機能障害、金銭管理や家事が難しくなる判断力の低下などが現れることがあります。

また、不安感、抑うつ気分、怒りっぽさ、意欲低下、不眠、妄想、幻覚などの精神症状や行動の変化がみられることもあります。これらはBPSD(認知症の行動・心理症状)と呼ばれ、本人のつらさだけでなく、家族の介護負担にも影響します。

初期には「最近ぼんやりしている」「仕事や家事のミスが増えた」「以前より怒りっぽくなった」など、周囲から見ても判断しにくい変化として現れることがあります。本人が自覚しにくい場合もあるため、家族や身近な人の気づきも大切です。

「認知症」に関連しやすい主な疾患

認知症の原因として最も多いのはアルツハイマー型認知症です。記憶障害から始まり、徐々に認知機能が低下していくことが多いとされています。

血管性認知症は、脳梗塞や脳出血などの脳血管障害が原因となって起こります。症状が段階的に悪化したり、手足の麻痺や歩行障害を伴ったりする場合があります。

レビー小体型認知症では、認知機能の変動に加えて、実際には存在しないものが見える幻視や、手足のこわばり、動作が遅くなるといったパーキンソン症状がみられることがあります。前頭側頭型認知症では、人格変化、衝動的な行動、社会的ルールを守れなくなるといった変化が目立つことがあります。

また、精神科領域ではうつ病との鑑別が非常に重要です。うつ病では集中力や記憶力が低下し、認知症に似た状態になることがあります。そのほか、せん妄、甲状腺機能低下症、ビタミンB12欠乏症、慢性硬膜下血腫など、治療によって改善が期待できる病気が隠れている場合もあります。

「認知症」の治療

認知症の治療は、原因疾患や症状に応じて行われます。アルツハイマー型認知症などでは、認知機能の低下を緩やかにすることを目的とした薬物療法が行われることがあります。

近年は、アルツハイマー病の一部に対して、原因物質に働きかける治療薬が検討される場合もあります。ただし、すべての方が対象になるわけではなく、病期や検査結果、全身状態などを専門医療機関で慎重に評価する必要があります。

治療は薬だけではありません。適度な運動、社会参加、趣味活動、認知機能訓練、生活リズムの調整などを通じて、現在の能力をできるだけ保ち、生活の質を維持することが大切です。また、予定を見える場所に書く、物の置き場所を決める、生活環境を分かりやすく整えるといった工夫も症状の安定に役立ちます。

不安、不眠、抑うつ、妄想、幻覚などが強い場合には、精神症状に対する治療や環境調整が必要になることもあります。本人への支援だけでなく、介護を担う家族へのサポートも治療の重要な一部です。

「認知症」の対面診療

認知症が疑われる場合、対面診療では症状の内容や経過、生活への影響を詳しく確認します。特に「いつ頃から変化が出たのか」「どのような場面で困りごとがあるのか」「症状が急に出たのか、ゆっくり進んだのか」は診断の重要な手がかりになります。

診察では、認知機能検査や心理検査を行い、必要に応じて血液検査や頭部MRI・CT検査などを実施します。これにより、認知症の種類や進行度を評価するとともに、認知症以外の病気が原因になっていないかを確認します。

認知症では本人が症状を十分に自覚していない場合も少なくありません。そのため、ご家族からの情報が診断に大きく役立つことがあります。家族から「最近様子が変わった」「同じ話を繰り返すようになった」「性格が変わったように感じる」と指摘された場合は、一度専門医へ相談することをおすすめします。

「認知症」のよくある質問(FAQ)

Q. 認知症と物忘れの違いは何ですか?

加齢による物忘れでは、体験の一部を忘れることが多い一方、認知症では体験そのものを忘れてしまうことがあります。例えば、「朝食の内容を思い出せない」のは加齢による物忘れでもみられますが、「朝食を食べたこと自体を忘れる」場合は注意が必要です。また、日常生活や社会生活に支障が出ているかどうかも重要な判断材料です。

Q. 若い人でも認知症になることはありますか?

あります。65歳未満で発症する若年性認知症があり、働き盛りの世代でも発症する可能性があります。仕事上のミスが増える、段取りが難しくなる、約束を忘れる、性格が変わったように見えるなどの変化が続く場合は、早めに相談しましょう。

Q. 認知症は治りますか?

認知症の種類によって異なります。アルツハイマー型認知症などは完全に治すことが難しい場合がありますが、治療によって進行を緩やかにしたり、精神症状を和らげたりできる可能性があります。一方で、うつ病、甲状腺機能低下症、ビタミン欠乏症、慢性硬膜下血腫など、認知症に似た症状を起こす病気の中には、治療によって改善が期待できるものもあります。

Q. 何科を受診すればよいですか?

精神科、心療内科、神経内科、脳神経内科、もの忘れ外来などで相談できます。特に、不安、不眠、抑うつ、妄想、幻覚、怒りっぽさなどの精神症状を伴う場合は、精神科や心療内科も相談先になります。必要に応じて、画像検査や専門医療機関への紹介を受けることもあります。

Q. どのタイミングで受診すればよいですか?

物忘れが増えた、同じ話を繰り返す、仕事や家事のミスが増えた、慣れた場所で迷う、性格が変わったように感じるなどの変化が続く場合は、早めの受診をおすすめします。本人が受診を嫌がる場合は、まず家族だけで相談し、受診につなげる方法を医療機関に相談することも選択肢です。

まとめ

認知症は単なる物忘れではなく、記憶力や判断力、理解力などの認知機能が低下し、日常生活に支障をきたす状態です。また、不安、抑うつ、不眠、妄想、幻覚などの精神症状が現れることもあり、本人だけでなく家族にも大きな影響を与えます。

一方で、認知症と思われる症状の中には、うつ病や内科的疾患など、治療によって改善が期待できる病気が隠れている場合もあります。そのため、気になる症状がある場合は、自己判断せず早めに専門医へ相談することが大切です。

まいにちメンタルクリニック神田駅前院では、物忘れや認知機能低下に関するご相談はもちろん、不安、抑うつ、不眠など認知症に伴う精神症状についても診療を行っています。「まだ受診が必要か分からない」という段階でも構いません。ご本人だけでなくご家族からのご相談も受け付けておりますので、気になる症状がある場合はお気軽にご相談ください。

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